スタック&チルト(左1軸スイング)
スタック&チルト(左1軸スイング)
はじめから左足側に体重を乗せて、体重移動をしないゴルフスイング理論のことです。
左1軸スイング、1軸スイング打法と呼ばれることもあります。
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体重移動するゴルフスイングが主流だった
以前は、体重を左から右、右から左に移動させるゴルフスイングが主流でした。
最近は、左1軸スイングが主流となってきています。
体重移動するゴルフスイングが悪いというワケではありません。
これは、それなりのメリットがあります。
池田勇太は、体重移動をする 2軸スイングです。
スタック&チルト(左1軸スイング)の特徴
スタック&チルト(左1軸スイング)の特徴を順番に紹介していきます。
- 背骨を左に傾ける
- 右脚を伸ばしてテイクバックする
- インサイドに引く
- 腰を上にバンプさせる
- 両腕を伸ばしてフォロースルー
アドレス | 背骨を左に傾ける
スタック&チルトの最大の特徴は背骨を左に傾けておくという点です。傾けておくことで、両肩を軸の真ん中に位置したまま捻転することができます。正面から見ると、左肩が下がって、右肩が上がるという回転運動がしやすくなります。そうすることで、左肩が顎下に入りやすくなり、深い捻転がしやすくなります。
テイクバック | 右足を伸ばす
テイクバックでは、左足を少し曲げて、右足を伸ばすことで、股関節を回旋させていくという動きを取り入れており、上半身と下半身の捻転差をつくることができます。この捻転差がスイングエネルギーとなり、飛ばすために必要な要素となります。しっかりと股関節を使うことが求められます。
インサイドに引く
テイクバックでは真っ直ぐに引くと言われることもありますが、スタック&チルト(左1軸スイング)の場合は、リストセットをして手首のコック入れて、上半身だけで回転しつつも左肩を下げるようにインサイドに引くように回転する。そうすることでインサイドから打ちやすくなり(アウトサイドから打ち難くなる)ので、自然とドローが打ちやすい軌道となります。
フェースローテーションを抑えるという意味もあり、右脇を締めて、右肘を常に引き付けながらテイクバックします。
ダウンスイングからインパクト
左足に体重を乗せて左足に軸があるとイメージして身体の回転、回転を入れていきます。身体と肩の回転だけではゴルフクラブを加速させることができませんので、体重移動も必要となります。
飛球線に向けてバンプ(腰を突きだす)します。腰を平行移動するのではなく、飛球線方向の少し上に腰を突きだすイメージとなります。右足を伸ばして腰を突きあげるようにする。その時、右足を伸ばしやすいように少し左足を曲げておくと良い。
腰を平行移動するのではなくて、少し上に突きだすというイメージを持つと、身体が伸び上がってしまうこともあるので、注意してください。身体が伸び上がってしまう場合は、腰を平行移動させるイメージでも良いです。
フォロースルー
両腕を伸ばして腰を飛球線方向に回転させて両手を高く上げるイメージで振る。腕を伸ばしておくことで、肩からゴルフクラブヘッドまでの距離が保たれるので適切なコンタクトで打ちやすくなりますし、再現性の高いゴルフスイングが実現できます。
フィニッシュ
左足に完全に体重を乗せて、左足だけで立てる状態となります。
お尻を押し込んで、背骨を伸ばして、コンパクトなフィニッシュとなります。
最大のメリット
左足に軸を置くことでカット打ちし難くなりますし、インサイドからゴルフクラブを振りやすくなりますし、ボールをしっかりと捕まえて叩くことができます。
- ゴルフクラブを加速させやすい
- 再現性が高い
- ダフリやトップなどのミスを減らせる
最大のメリットとしては、ゴルフクラブを最短距離で加速させることができるという点です。そして、再現性が高いスイングです。非力なゴルファーでもゴルフクラブを加速させることができるので、簡単に飛距離アップできるとされています。メリットばかりではなく、自分に合うかどうかもチェックしておくと良いです。実際に取り入れてみると、色々なことが判ります。メリットばかりではなく、デメリットも必ずあります。
スタック&チルト(左1軸スイング)の注意点
気付いたことを書きまとめておきますので参考にしてください。
- ボールが上がり難い
- 極端なインサイド軌道になりやすい
- 極端にアップライトな打ち方になりやすい
- ある程度の筋力が無いと難しい
スタック&チルト(左1軸スイング)のデメリットというか、実際にトライしてみて感じたことは、ボールを上げ難いように感じました。ボールに対して鋭角に入りやすいからです。身体の重心が前にあり、インサイドに打つので、低弾道になりやすい感じがしました。
また、はじめから体重が左に乗っているので、重心が前重心となります。重心を後ろに置いた方がゴルフクラブは加速させやすいですし、慣性を活かすことができると感じました。股関節を回旋を活かして、腰の回転を深くしますので、股関節周りの柔軟性が求められます。
肩周りの筋肉、背筋、お尻の筋肉が発達してないと、スムーズに打てないことがあります。
スタック&チルトでボールの置く位置
スタック&チルトでの考えは、スイングの回転軸は重心位置(スイング最下点)と同じ位置にあるという概念となっています。そして、スイング軌道の少し後ろにボールが置かれていると良いとしています。スタック&チルトでのアイアンショット、ドライバーショット時のボール位置を紹介します。
アイアンの場合
スイングの回転軸(スイング最下点)よりも少し後ろにボールを置きます。
左足踵よりボール2個分内側くらいが目安となります。
ドライバーの場合
ドライバーなどの長いクラブの場合、ボールの位置を外側(右足側)にすることで、クラブヘッドの入射角が緩やかになります。
注意点
ボールを外側(右足側)に置くことで、スイング軌道がアウトからインに入りやすくなるし、スイング軌道の前の方にボールがあることから、カット打ちになりやすくなります。なので、ボール位置を外側(右側)に置いたら、バンプを強く入れてクラブヘッドがインからアウトに動いているときにインパクトしやすく調整できます。
スタック&チルト(左1軸スイング)が日本ではトレンドになり難い?
一般的なゴルファーの場合、体重移動する打ち方(2軸スイング)の方が、少ないチカラでゴルフクラブを加速させられる可能性があります。ボールを高く打ちあげやすいです。スタック&チルト(左1軸スイング)の場合、ある程度の筋力、パワー、柔軟性が必要となる打ち方です。誰もが簡単にコピーできる打ち方ではないと思います。小柄で非力な日本人には向いてないかもしれません。
スタック&チルト(左1軸スイング)を取り入れているゴルファー
有名なのは、タイガー・ウッズです。ローリー・マキロイ、ジェイソン・デイなどもそうです。独自の理論と融合しており、一見スタック&チルト(左1軸スイング)に見えないこともあります。
例えば、ブライソン・デシャンボーはスタック&チルト(左1軸スイング)の要素を取り入れつつ、はじめから手元を上げた1プレーンのスイング理論が融合しています。海外では、左1軸スイングが主流となってきており、スタック&チルトの概念を取り入れた打ち方をするゴルファーが多くなってきています。
体重移動する、2軸スイングよりもシンプルで再現性の高い打ち方ですが、脚力や体幹の強さが必要となりますので、誰もが直ぐに取り入れられる感じではありません。
スタック&チルト 書籍
アンディ・プラマー、マイケル・ベネットが中心となって書かれた、スタック&チルト ゴルフスウィングが基本となっています。ひとことで左1軸スイング、体重移動をしないスイングと言いますが、色々な応用方法があります。また、全てをコピーしなくても、部分的に取り入れることで、自分の今のスイングをブラッシュアップさせていくことができます。