ゴルフスイングで右手を使うコツ
ゴルフスイングでは左主導、左リードとか言われて、右手を使わないように言われてきましたが、それは本当なのか追及していきます。
ゴルフスイングでは左主導、左リード
ゴルフスイングでは左主導、左リードと言われます。これは一理ありますが、勘違いやすい言葉でもあります。左主導、左リードという言葉からは右手(右腕)を使わないイメージが強くあります。そうなんです、利き手である右手(右腕)を使わないようにしようという考えを伝えるための言葉です。実際のところスイング軌道がズレてしまったり、ボールの手前でダフってしまうことの原因の多くは、右手(右腕)に力が入ってしまっていることが多いです。
左手はハンドル、右手はアクセル
右手を使うコツを知る前に、「左手はハンドル、右手はアクセル」と言われている理由を紹介します。
昭和の時代に出版されたゴルフ書籍に書かれていることが「左手はハンドル、右手はアクセル」です。何だか聞いたことのある言葉ですよね。ネットで、「左手はハンドル、右手はアクセル」で検索すると沢山の情報がヒットしてきますが、昭和の時代から存在する概念であり、申し訳ないのですが新しいゴルフスイング理論でもなかったりします。ずっと、昔から言われていることです。
昭和の時代に出版された書籍
こちらの昭和の時代に出版された書籍に書かれている、「左手はハンドル、右手はアクセル」の内容としては、色々と枕詞がありますが、それらを省くと、「左脇を締めて左手でスイング軌道を決めつつ、右手で押し込む」という打ち方になります。
左手ストロンググリップ、右手ウィークグリップで握れて、自然とそのような打ち方になりますから、左手はハンドル、右手はアクセルというのは、あまり気にしなくても良い時代になってきように感じます。
左手(左腕)主導と言いながらも、ゴルフに慣れてくると右手で押し込んでいる感覚というのは、昭和の時代も、平成の時代も、令和の時代に入っても変化の無いものであり、時代が移り変わっても、大きく打ち方が変わることではないということです。
右手で打った方が飛ばせる
右利きの人がゴルフボールの前でアドレスすると、飛球線とゴルフボールに対して、右手(右腕)の方が後方にあります。左手(左腕)の方が前にあります。
この関係がゴルフスイングに大きな影響を与えているということを知ると、ゴルフスイングの概念や考え方が変わってきます。
片手打ちスイングを練習してみると判るかと思いますが、左手(左腕)で打ったときよりも右手(右腕)で打った時の方が飛ばせます。これは、右手(右腕)が利き手で器用なことができるという理由もあるかと思いますが、最大の理由としてはゴルフスイングの軸とゴルフボールに対して、右手(右腕)の方が後ろにあるからです。後方から振った方が、慣性の法則が活かされます。なので、左利きの人でも右打ちの場合、右手(右腕)で打った方が飛ばせます。
似たような症状としては、左足体重だとボールが上がり難くなります。
が、右足体重だとボールが上がりやすくなります。
右腕(右手)で打った方が初速が速くなる
右腕(右手)でゴルフボールを打つ最大のメリットとしては、ボールスピードが速くなるという点です。ヘッドスピードがそれほど速くならなくても、右腕(右手)でゴルフボールを叩けた方が、ボールを弾き飛ばせるということになりますし、本当に意味でボールを打つということになります。
左腕リードということで、左腕でボールを打っているようでは、いつまでたってもボールスピードが速くなりません。むしろ、ヘッドスピードが速い割にはボールスピードが遅い、ミート率が低いというのは、右腕(右手)で打ててないということです。
ゴルフクラブも慣性モーメント重視
ドライバーヘッド、アイアンヘッドも同じような構造となっており、ヘッド後方にウェイトを配置することで、後方からゴルフボールを打ち押せるようになっており、これもまた慣性です。
両手・両腕の役割
左手はハンドル、右手はアクセル というのは、左手(左腕)の役割としては軌道を決定する、右手(右腕)は力強くゴルフクラブを振るという役割があるということであり、左手(左腕)と右手(右腕)が一対となって成り立っているということになります。
ゴルフスイングで右手(右腕)を使うコツ
参考のスイングはビクトル・ホブランです。
右手・右腕を使うコツとしては、右手首の背屈を維持して身体の回転と肩の回転で腕とゴルフクラブを振ります。右手首が背屈しているので従来のインパクトでは、ややフェース面が開いてしまいますので、積極的な身体の回転が必要となります。
そして、インパクトに向けて右肘を伸ばしていきます。右肘を伸ばしきるのではなく、少し曲がっていても大丈夫です。右手首の背屈は維持することで入射角度が安定します。そして、右手首を伸ばしきらないようにします。右手首が伸びてしまうとキャストしてしまいますし、インパクト前に手首が解けてしまうと軌道が下がってしまってテンプラになることもありますし、ダフることもあります。
右手首の背屈は維持して、積極的に身体の回転と肩の回転で振っていき、右肘を伸ばそうとすることで右手・右腕を飛球線方向に向けて送り込むことができます。このときに右肘が身体の近くを通っていると、力強くボールを叩くことができます。
コリン・モリカワもこのようなスイングをします。
インパクトに向けて左肩と左腕が飛球線に向けて回転していき、その後に右腕がついてきて、ボールを叩くというイメージになります。右腕で打つからといって、右腕(右手)ばかりを意識してると、身体が開いてしまってスライスボールになってしまうので注意してください。
なので、ゴルフスイング的には左肩と左腕が先に飛球線方向に向けて回転するので、左肩と左腕が右肩と右腕よりも前にあることになります。なので、左肩と左腕でボールを打ってるように見えますが、後からついてくる右腕でボールを打つというイメージを持つと良いです。
ボールを投げるような動作に近い
飛球線方向にバスケットボールを投げるには両腕でボールを持って右手・右腕で放り投げます。この動作がこそがゴルフスイングで右手・右腕で打つ動作に近いです。右手・右腕を飛球線に送り込むというのは、バスケットボールを投げる動作のイメージを持つと良いです。これはベン・ホーガンのモダンゴルフにも紹介されてます。
右手のパワーを活かすには肘を引き付ける
右手のパワーを活かして、ボールを打つ(ボールを叩く)には、右肘を身体に引き付けておくことが必要となります。
右肘が身体から離れていると、エネルギーの伝達効率が悪くなり、ゴルフボールを強く叩けません。
右腕を伸ばして、右肘を身体から離して、モノを持ち上げようとしても力が入り難いことが判るはずです。右腕を曲げて、右肘を曲げて、自分の胸の前あたりに置くことでエネルギー伝達が良くなり、モノを持ち上げやすくなります。
ですので、ゴルフスイング的に右肘を引き付けて、身体の近くを通るスイングが良いとされてるのは、効率よく右手のパワーを出力できるからです。
冒頭で書いた「左手はハンドル、右手はアクセル」というのは、一理あります。ですが、タイガー・ウッズが英語で自身のスイングを紹介している文節には、このような単語が登場します。「 Left Arm Guide 」 つまり左手(左腕)はガイドの役割があるとしています。
左手(左腕)はガイド(案内)となるので、スイング軌道を決定づけるための動作をしているということになります。冒頭で書いた「左手はハンドル、右手はアクセル」に近いですし、私たちがよく耳にする左主導、左腕リードという言葉に似てます。ですが、右手(右腕)を使わない意味ではなくて、むしろ積極的に右手(右腕)を使うための言葉です。
左腕は伸ばしたままでガイドの役割をして、右肘は屈曲と伸展を行って上げ下ろしを行うということです。
肘の曲げ伸ばしをするためには運動の源となる主動作筋を使いますから、強い力を発揮することができます。ですから、右肘の屈曲と伸展はゴルフスイングには必要不可欠な動作であり、これがあるからこそボールを飛ばすことができます。この辺りは、またヘッドスピードを速くする筋力という記事を書く予定なので、そこで詳しく説明をする予定です。
ヘッドスピードを速くするための筋トレのコツ
右手(右腕)を使おうとすると、右肩が入りやすくなり身体が開いてスライスが増えたりすることがあるので、はじめは飛ばそうとせずに、丁寧にボールを打つように試してみると、感覚が掴めるようになります。
右手・右腕で打つ時の注意点
右手・右腕のパワーを使って打とうとすると、アドレスをしたときに左腕よりも右腕が上になる(前に出る)ことがあります。右手・右腕で打とうとするあまり左腕よりも上になる(前に出る)と、スイング軌道がアウトサイド・インになりやすくなり、カット打ちになる確率が高くなります。つまり、スライスが増える場合があるので注意してください。
右腕で振るからヘッドスピードが速くなる
これは、実際に素振りしてみると判るはずです。
左手だけでゴルフクラブを持って、左腕だけで振ってみます。
右手だけでゴルフクラブを持って、右腕だけで振ってみます。
さて、どちらが速く振れるか?
答えは簡単です。右腕だけで振った方が速く振れてます。
つまり、ゴルフスイングも右腕のパワーを使った方が飛ばせるし、今以上にゴルフボールを叩けるということになります。
そして、右腕でゴルフクラブを振ると右側でゴルフクラブを加速させられることが判ります。
ボールの手前、インパクト直前にかけてゴルフクラブを最大限に加速させることが、ポイントとなります。
ただし、右腕だけに頼るのはNG
右腕で振ると速く振れる、そして飛ばせるからといって、右腕だけを使ってスイングすることは、ナンセンスです。打点がズレやすくなりますし、腕の力だけではゴルフクラブは加速させられませんし、フェースが開きやすくなり、スライスしやすくなる可能性もあります。
ここでポイントとなるのが、左腕です。よく言われてる左腕リードというのは、右腕のパワーを出力する方向を決める、スイング軌道を決定するという役割があります。左腕リードというのは、右腕よりも先に左腕がありますから、左腕を先行(リード)させて、右腕が追いかけていきます。
ハーフウェイダウンからインパクトにかけては、肘から下の振りと右手首のヒンジを活かして振ることが求められます。
飛ばすためには、ヘッドスピードが速い方が有利ですし、ヘッドスピードを速くするには腕を速く振る必要があります。そのためには、右腕をうまく使うことが必要となってきます。
右手で打つ練習
右手で打つ練習方法としては、右手だけでゴルフクラブを持って、右腕だけで振ります。そして、右腕のパワーを有効的にゴルフボールに伝えようとすると、手元は意外と身体の近くを通した方が力を加えやすくなります。
右肘を引き付けて、肘下を素早く振るような素振りをすると右手で打つ感覚を養うことができます。
日々、精進
がんばります