ゴルフのための体幹トレーニングは間違い?
ゴルフスイングという動作が科学されて、どのような動作と筋力が必要なのか理解できてくると、体幹を鍛える、トレーニングするというのは違うということに気付きます。体幹を鍛えるというよりは、使えるようにするというのが正しいです。
体幹を鍛えてもヘッドスピードは速くならない
体幹を鍛えてもヘッドスピードは速くなりません。胴体周りに力を入れてみれば判るはずです。スイングできなくなりますし、素早い動きがし難くなります。ゴルフで体幹が必要となるのは、ゴルフスイングの安定性やスイング軸のブレを減らすために必要となります。
ゴルフスイングは、アドレスで前傾姿勢をとりますし、姿勢を崩さない(スイング軸がズレないよう)ために、強い体幹が必要となります。
ヘッドスピードを速くするには、拮抗筋を鍛えること、瞬発力を高めること、柔軟性を高めることです。
体幹と呼ばれる部位

体幹=腹筋と言われることがあります。体幹というと、割れた腹筋シックスパックとかイメージするかもしれませんが、それは腹筋です。腹筋も体幹の一部なのですが、腹筋を含めた体幹筋というものがあり、横隔膜、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋などの筋肉から成り立っています。
体幹が弱いとバランスが取り難くなる
体幹筋が弱まってくると、運動時のバランスが取り難くなってしまいます。これが、ゴルフというスポーツにも影響を及ぼしています。だから、スポーツ業界でも体幹を強くする、鍛えるというのは、とても大切であるとされています。体幹が弱いというのは、ゴルフスイングの捻転に耐えられない、弱い身体であり、力強いゴルフスイングをするのが困難になってくるのです。
また、体幹が弱いとスイング軸を保つのが難しくなってしまい、ナイスショットの確率が低くなります。そして、傾斜からのライからは、体勢をキープできずに、ついつい手打ちになってしまい、ミスショットとなってしまいます。

体幹の役割
ゴルフでの体幹の役割は、姿勢を維持する、前傾姿勢を保つという点と、ゴルフスイングという動作をスムーズに行うためのバランス保持となります。ゴルフスイングという動作中の姿勢を崩さないために体幹が必要となります。ゴルフスイングは、運動エネルギーを働かせたい方向(飛球線方向)にバンプ(腰の移動・重心移動)を行うということから、身体全体のバランス保持が必要となり、そのためには体幹が重要な役割を果たしています。
ゴルフスイングという動作は、重心移動をするから、体幹でバランスをとる必要があるということです。
傾斜のライから打つときのも、傾斜で重心移動をしながら、動作をするので、バランスをとる必要があり、体幹を活かすことが必要ということになります。あまり知られてないというか、説明されることがありませんが、そういうことです。
体幹の役割
- アドレスでの姿勢を保つ
- スイング軸を保つ
- 力を伝達する柱
体幹が弱いと身体が折れてしまうことも

ダウンスイングにかけて、身体がくの字に折れ曲がったりする場合は、体幹が弱いということです。体幹を使って、姿勢を維持することが大切です。サイドベンド(側屈)の記事でも書きましたが、捻転してトップスイングを作った時に身体が伸び上がってしまうのは、体幹が弱いからであり、体幹が使われてないということです。だから、ゴルフスイングが崩れてしまうということになります。
体幹と呼ばれる部位と役割を知ったら、鍛えるべきなのかどうかを考えてみます。
体幹は鍛えるべきか?
適切なゴルフスイングをするには、体幹は重要です。なので、体幹トレーニングなどがありますが、体幹を鍛えることは本当に必要なのかどうかを考えてみたいと思います。
体幹を鍛えるとどうなるか考えたことはありますか?
体幹を鍛えるということは、筋力アップして硬くするということになります。腹筋を含めた体幹が硬くなることがゴルフスイングにとって良いことなのかどうかということになります。割れた腹筋シックスパックなゴルファーが必ずしも有利だとは言い切れません。ガチガチに硬くなった体幹(腹筋)では、むしろ捻転し難くなって、上半身と下半身の捻転差を作ることが難しくなります。
腹筋運動を高めて、体幹が筋力アップしたとしても、ゴルフスイングは良くなりません。
むしろ、悪影響を及ぼすことも考えられます。
ゴルフスイングに必要なのは柔軟性です。
硬い身体よりは、柔らかい身体の方がメリットがあるということは、ゴルファーは知っています。
つまり、体幹を鍛える ではなくて、体幹を使う、今以上に使えるようにするという表現の方が適切です。
そのためには、負荷を掛けて鍛えるよりは、ストレッチの方が効果的です。
鍛える と ストレッチの違いは以下となります。
鍛える
- 筋力アップする
- 関節の可動域が狭くなる
ストレッチ
- 筋肉を伸ばす
- 筋紡錘の活性化
- 関節の可動域が広がる
筋紡錘(きんぼうすい)というのが、とても大切になります。
これは、筋肉がどれくらい伸ばされているかを知るための器官です。
体幹を鍛えるの意味 まとめ
体幹を鍛えるというよりも、体幹をストレッチし、筋紡錘(きんぼうすい)を活性化させ、関節可動域を広げていくことが、体幹を鍛えるという意味になります。筋力アップさせて、ガチガチのシックスパックになる必要はありません。
体幹を使うというのは、筋肉の伸縮を活性化させるという意味でもあります。筋力アップではなくて、ゴルフスイングに必要なのは柔軟であり、筋肉の大きな伸縮により、捻転差を作ることが必要となるからです。
体幹の柔軟性
体幹の柔軟性が高まれば、前傾姿勢をしたまま上半身と下半身を捻じってもバランスを維持することができます。それは、可動域が広がったからです。また、上半身と下半身の捻転差を大きくつくることができれば、強い捻転力のゴルフスイングとなります。
サイドベンド(側屈)の記事でも書いたように、体幹の柔軟性が無ければ、トップスイングを作った時に身体が伸び上がってしまったりすることもあります。これは、可動域が狭いので、トップスイングを作ったと同時に身体が引っ張られてしまって、重心が上がってしまうということになります。言葉を替えれば、体幹が弱くて姿勢が崩れてしまっているということになります。
体幹を鍛える という意味を勘違いせずに、ゴルフスイングに必要な体幹をつくることが大切です。
といっても、ゴルフスイングという幾つかの動作から成り立つ運動のなかで必要となる体幹だけを取り出して説明しているだけなので、実際のところは背筋、股関節など各部位・各筋肉との連動が必要となります。
日々、精進
がんばります