地面反力で飛ばすゴルフスイング|ジャスティン・トーマス
更新:2022/06/04
床反力・地面反力のスイングといえば、ジャスティン・トーマスです。以前から、反力を使ったスイングをするゴルファーは多く居ました。が、床反力・地面反力のスイングを広めたのは、ジャスティン・トーマスと言えます。
ジャスティン・トーマスのスイング 解説
ジャスティン・トーマスのスイングは、大胆に床反力・地面反力を使ってます。また、その動きをするために体重移動がとてもうまく利用してます。ジャンプする前には、スクワットの動作も入っており、屈んでからジャンプするという動作を活かして、ゴルフクラブを加速させています。
アドレス
アドレスは意外と普通に見えますが、両足共に踵体重でアドレスをしているように見えます。
かなり、お尻を後ろに突き出して、股関節から曲げて前傾姿勢を作っています。
既にアドレスの時点で股関節の回旋を使うということが判りますし、床反力・地面反力を使ってスイングをする準備となります。これは、後から判ります。
テイクバック
テイクバックも変哲の無い動作に見えますが、左肘は少しだけ曲げており、ゆとりを持たせてます。
左肘をピンと伸ばするよりは、少し曲げていた方が力が入りやすいのだろうと思います。
スウェーしないように右脚を踏み込んでおり、アドレスから右脚が全く動きません。
捲れる雰囲気すらしません。
右脚の強い踏み込みで、上半身の捻転を支えながら、スイングエネルギーを作っているのが判ります。
トップスイング
微妙に上半身が伸び上がったように見えますが、伸び上がりではありません。左肩が顎下に入ったときの側屈(サイドベンド)が強烈で、肩を縦回転させするための準備が整ってます。
ジャスティン・トーマスの場合、オーバースイングにならずに、トップではゴルフクラブが水平になる位置から、ダウンスイングへの切り返しに入ります。
トップスイングでは、右足は、踵体重で踏ん張っており、右足の内側で受け止めてます。左足は、踵体重で左足の内側で踏ん張ってます。左足に関しては、踏ん張ってるというよりは、地面に接してるだけで、あまり力が入ってない可能性があります。
両足共、踵体重となってます。これも、床反力・地面反力をするための準備となります。
ここから、ダウンスイングへの切り返しが素晴らしいです。
ダウンスイングへのスイッチング
ジャスティン・トーマスは、床反力・地面反力が凄いのですが、本当に凄いのはトップからダウンスイングへの切り返しの動作です。ダウンスイングからインパクトにかけての踵体重から爪先体重への移動がスムーズで、これこそがジャンピングスイングを実現させてます。
踵体重から爪先体重への移動
バンプ(腰の平行移動)を入れながら、左脚を踏み込んで、左足踵体重から瞬間的に左足はベタ足となり、左足全体に荷重させてます。所謂、左の壁を作るイメージです。この動作により、左股関節が回旋されて左の骨盤が回転します。ヒップターンになります。
同時に右足の踵体重を爪先体重に移動しながら、踏み込みます。既に左の骨盤が回転してるので、右の骨盤も回転しますので、自然と右膝が飛球線に向けられて、強い右脚の蹴り(反力)を使います。
この動作は、実際の動画で見ると、左右の股関節の間でサイドステップしてるように見えます。
ジャンプするための積極的な踵体重
両足共に踵体重であることは、はじめから床反力・地面反力を使うことを想定しているからです。ジャスティン・トーマスの場合、床反力・地面反力というよりは、ジャンプしてますから、ジャンプスイングです。
ジャンプするのに、はじめから爪先体重でジャンプするよりは、踵に体重を乗せてから爪先体重にシフトさせて、ジャンプする方が脚の筋肉を使って強くジャンプしやすいです。ハーフウェイダウンにかけては、右足の踵が捲れてしまって、完全に爪先で地面を蹴ってます。
ジャンプする動作
ゴルフスイングじゃなくても、その場で直立してジャンプしようとすれば、爪先でジャンプしようとします。ベタ足のままでジャンプしたり、踵体重のままジャンプすることはありません。爪先体重の方が膝を曲げて、脚力を使ってジャンプできます。つまり、脚の拮抗筋(足首の曲げ伸ばし、膝の曲げ伸ばし)を強く使えます。ゴルフスイングの動作の中では、スクワットと呼ばれます。
体重移動はゴルフスイングの基本
そもそもゴルフスイングという動作は、踵体重から爪先体重へと体重移動しますので、ジャスティン・トーマスの踵体重から爪先体重への移動は珍しくはありません。
が、ジャスティン・トーマスの体重移動は、うまいというか、ジャンプするための体重移動の仕方をしており、とても参考になります。とくに右脚の粘りが強く、バックスイングでも右脚が動くことはありませんし、耐えられずに捲れてしまうことがありません。全く動かない強い右脚があるからこそ、効率よくスイングエネルギーを伝えられるのだろうと思います。
インパクト
インパクトでは、右膝が飛球線を向くくらいに蹴ってます。左脚は、右脚の床反力・地面反力が強くて左脚が浮いてしまってるのだろうと思います。骨盤が飛球線を向いてしまってるので、この姿勢になる場合、アウトサイドイン軌道になりやすく、ゴルフクラブは少し外側から入って、内側に抜けます。なので、ボールは少し左に飛び出して、スライスして戻ってくる、フェードボールになります。
ジャスティン・トーマスのスイングの場合、インパクトの瞬間は左脚が伸びて、左の壁を作ってる感じではありません。
左足が捲れてしまってるので、踏ん張って左の壁を作ってる感じではありません。
右脚とゴルフクラブが引っ張り合う
このインパクトの瞬間は、右側体重の右脚の右脚の床反力・地面反力とゴルフクラブのヘッドが釣り合って、引っ張り合ってる状態となってます。右側に体重を残して、右側にスイング軸があると言えます。頭の位置がスイング軸となってます。
アマチュアゴルファーでも、スイング練習をしてるときに右側に体重を残しつつ、右脚の蹴りがうまく使えると、右側体重とゴルフクラブが釣り合ってるのを感じるはずです。ジャスティン・トーマスは、それを大胆に行ってるスイングと言えます。
フォロースルー
左脚が下りてきて地面を踏みます。ここで、やっと左の壁っぽい動作が入りますが、スイング後の随伴運動でしかなく、フィニッシュを迎えるための準備となります。
右脚の反力が強くて、骨盤が完全に飛球線を向いてしまって、左右の股関節で挟み込むような動きとなります。ジャスティン・トーマスは、フォロースルーでも左肘を曲げてアームローテーションをする感じがありません。両腕をそのまま振り抜いていきます。
側屈(サイドベンド)が入っており、肩が縦回転をしてます。こんなに高く腕とゴルフクラブが上がるというのは凄いです。
もちろん、フィニッシュ手前では左肘を曲げて、左腕を畳むのですが、そのタイミングを遅らせてます。なので、両腕で強く振り抜いてます。
フィニッシュ
左脚だけで立ち上がってます。
ジャスティン・トーマスのドライビングパフォーマンス
- DRIVING DISTANCE:301.3
- CLUB HEAD SPEED:111.52
- SMASH FACTOR:1.503
- 平均ドライビングディスタンス:301.3ヤード
- ヘッドスピード:49.85m/s
- ミート率:1.503
ジャスティン・トーマスのスイングから学ぶこと
床反力・地面反力で打つには、踵体重、爪先体重への体重移動が重要だということが判ります。ただ、膝を曲げ伸ばししたり、脚を伸ばすだけではなく、体重を乗せてスイングエネルギーを増幅させるためのジャンプ(反力)が必要ということを学べます。真似するのは難しいかもしれませんが、ダウンスイングからインパクトにかけて、左脚のジャンプ(左の壁)を作る動作を取り入れてみたりすると、感覚が掴めるかと思います。
スイング軌道は、かなりシンプルです。
アドレスのところに戻ってくるというイメージです。
床反力・地面反力、ジャンプスイングといっても、脚が使えなければ実現できません。
日々、精進
がんばります