トニー・フィナウのスイング分析
2024/02/11更新
トニー・フィナウのミート率とヘッドスピードからボール初速を計算
公開されてるスタッツからヘッドスピードをマイルからメートル毎秒に変換して、ミート率からボール初速を計算しました。飛距離も紹介します。2024年シーズンはまだラウンド回数が少ないのでデータ数が少ないので2022~2023年のデータをベースに計算します。
- ミート率:1.512
- ドライビングディスタンス:304.2ヤード
- クラブヘッドスピード:118.03mph
ヘッドスピード 118.03mph をメートル毎秒に変換すると、52.76m/s となります。ヘッドスピードとミート率が判れば、そこからボールスピードを計算します。ボールスピードは 79.77m/s となります。
トニー・フィナウのスタッツ
- ミート率:1.512
- ドライビングディスタンス:304.2ヤード
- クラブヘッドスピード:52.76m/s
- ボールスピード:79.77m/s
トニー・フィナウのスイング特徴
トニー・フィナウのスイングは特徴的なのですが、どのような点が特徴的なのか紹介します。
フィナウのスイングはコンパクト?
フィナウのスイングの特徴としては、コンパクトだと言われてます。たしかに見た目的にはバックスイングが浅くてコンパクトな振りに見えます。が、実際は強烈な捻転と上半身と下半身の捻転差が活かされており、腕とゴルフクラブが空中に置かれたままになるくらいに捻じれ戻りが速く、ドライバーでもアイアンのようなタメが作られて強烈なインパクトでボールを叩いて飛ばせるスイングです。
スイングスピードが速い
フィナウのスイングの特徴のひとつとしてスイングスピードがとても速いです。つまり、動きが速いということです。バックスイングも速いし、切り替えてからのダウンスイングも速いです。瞬発力を活かしたスイングとも言えます。ゆっくりと身体を捩じるというタイプではなく、速い動きで身体の捩じれと捻じれ戻りを活かしたスイングです。
捻じれ戻せる捻転の深さが今のトップの位置になったのだろうと思います。これが、捻転が浅く見えたり、コンパクトに見えたりしますが、実際のところ身体は強烈に捩じれており、スイングパワーを蓄積してます。
フィナウはレイドオフでミート率が高い
フィナウのスイングは動きが速くてコンパクトに見えますが捻転が深く入ってます。そして、最大のポイントとしてはレイドオフするという点です。
トップでオーバースイングさせるのではなく、クラブが少し寝るような動きが入ります。そして、インサイドからクラブが入りやすくなりますし、オンプレーンで打ちやすくなりますし、スイング軌道がブレ難くなりますので、ミート率が高くなります。すなわちトニー・フィナウのスイングは、コンパクトなレイドオフスイングで飛ぶし正確性も再現性も高いスイングであると言えます。
また、レイドオフさせるのは、最近で云うところのシャロースイング(シャローに打つ)にシンクロしてきますし、現代的な低重心のゴルフクラブの性能を存分に発揮できるスイングです。
アドレス
左足の爪先を少し開いたタイプのアドレスです。
正面から見るとボールの位置は左脚の踵と同じくらいの位置となってますが、左足の爪先を開くことでボールが内側に入ってる感覚となりますので、本人はボールの位置を左側に置いてるという感覚を持ってないかもしれません。どちらかというと身体の真ん中あたりにボールが置かれてる感覚を持ってるように思います。
左腕とシャフト、ヘッドまでが真っすぐとなってるのが特徴的です。
テイクバック
右側に踏み込んで体重移動をして、両腕が作る三角形をキープして真っすぐに引いていきます。
右脚の踏み込みがとても強く、右膝の位置が殆ど変わりません。スイングエネルギーが逃げないようにキープしてます。
ハーフウェイバック
右脚を踏み込んで止めて、左膝を寄せていきます。このときに背中が捲れるくらいに捻転します。
左肩が顎下に入るくらいに捻転していきます。
脇腹(横腹)の辺り、側屈、腹斜筋の捻じれが強烈で、これがスイングパワーになってると思われます。
トップスイング
右肩が後ろから見えるくらいに捻転してます。
上半身と下半身の捻転差がとても大きいです。
ダウンスイング切り返し
左脚を踏み込んでバンプして、やや平行移動してダウンスイングのきっかけを作ります。
ダウンスイング
ダウンスイングに移行してからは、左の壁を作って止めつつ右脚の蹴りで送り込んでいきます。もう直ぐに両腕が胸の前辺りまで戻ってきてます。つまりは、それだけ捻じれ戻るパワーが強く、捻じれ戻るスピードが速いということです。速いバックスイングで腕とゴルフクラブを持ち上げたと思ったら、腕とゴルフクラブが空中に置き去りになるくらいの速さで捻じれ戻ってます。
ハーフウェイダウン
右脚の蹴りで送り込むパワーが強く、エネルギーが縦に向かおうとしており、地面反力的な要素も見受けられます。両腕とゴルフクラブが下りてくるのを待っていらる粘りのある強い身体があるからこそ、この姿勢が作られます。
トニー・フィナウのスイングはレイドオフする
スイングを正面から見てる時点では分かり難いのですが、トニー・フィナウのスイングはレイドオフします。トップからダウスイングにかけてレイドオフして、シャローに下りてきます。これによりインサイドから打ちやすくなります。スイングを後方から見ると、クラブは立って上がってきて、ダウンスイングはテイクバックのときよりも寝て下りてきますので、明らかにシャローに打ててます。
インパクト
ややハンドファーストな形でインパクトします。左手は裏拳のイメージ、右手は掌で叩くようなイメージで、腕からゴルフクラブまでが真っすぐとなってます。
フォロースルー
左手と右手を入れ替えてクラブを放り投げてフォロースルーを作ります。
フィニッシュ
トニー・フィナウのスイングを真似する
トニー・フィナウのスイングを真似するには、わざとコンパクトなスイングをしようとせずにいつも通りに捻転します。腕の力を使ってクラブを持ち上げて、深く捻転させるよりは、身体の捻転だけを使うイメージを持つと良いです。左肩が顎下に入って、ゴルフクラブはやや立って上がる(外側に引く)イメージとなります。立てて上げることで、ダウンスイングに移行するときにはクラブが寝る方向に動かしやすくなり、レイドオフして、インサイドから打ちやすくなります。
また、捻じれ戻りが強いスイングです。テイクバックして上半身は飛球線とは逆を向こうとしてる動きがある状態で、下半身は飛球線に向けて戻そうとするので、上半身と下半身の捻転差が作られますし、捻じれ戻りにエネルギーが強くなります。これがスイングパワーに変換されます。