鉄板焼きデートのあとに訪れた、静かな空白
先日の鉄板焼きデート以降、降雪の影響でゴルフ場がクローズになったり、気温が一気に下がったりと、ゴルフの予定を立てるには少し厳しい日が続いていた。20代後半ゴルフ女子とのLINEでのやり取りは途切れることなく続いていたものの、文字だけのコミュニケーションでは、どうしても相手の温度感や表情が見えづらくなり、関係が少しずつ薄まっていくような感覚があったのも事実だ。
会えない時間が続くほど、気持ちの距離は知らず知らずのうちに変化していく。
それを何度も経験してきたからこそ、どこかでこの流れを変える必要があると感じていた。
彼女から届いた、控えめだが確かな誘い
そんなことを考えていた矢先、20代後半ゴルフ女子からLINEが届いた。
「仕事帰りに、何か食べていきませんか?」
余計な装飾もなく、感情を押し付けることもない、実にシンプルな一文だったが、その短い言葉の中には、会いたいという意思がきちんと込められているように感じられた。
迷う理由は見当たらず、こちらも自然な流れでOKの返事を返した。
彼女のほうから誘ってくれたことが、想像以上に嬉しかった。
受け身だけではない一面に見えた、関係の可能性
こちらから動かなければ進展しない、20代後半ゴルフ女子はいわゆる受動的なタイプの女性なのだろうと、どこかで決めつけていた部分があった。
しかし、今回の誘いで、その印象は少し変わった。行動的な一面があると思う。
このまま会わずにやり取りだけが続けば、自然とフェードアウトしてしまう。
そんな空気を、彼女なりに敏感に察してくれたのかもしれない。
そう思うと、この時間をより丁寧に過ごしたいという気持ちが強くなった。
選んだのは、回らない寿司屋
食事は寿司にすることにした。店は、以前から付き合いのある知り合いの寿司屋で、いわゆる回転しない寿司屋ではあるが、値段は意外と良心的で、味にも安定感がある。
彼女は見た目の印象とは違い、意外とよく食べるタイプなので、寿司で満足できるか少し気になっていた。ただ、「回らない寿司屋」という響きには、やはり少し緊張する様子も見られ、値段を気にしている雰囲気も伝わってきた。
仕事帰りの彼女と、飾らない装い
当日は寿司屋で待ち合わせ。
彼女は仕事帰りということもあり、ニットのセーターにコート、ロングパンツという落ち着いた服装だった。
派手さはないが、無理をしていない自然体の装いで、その分、表情や仕草が素直に目に入ってくる。華やかさよりも、こうした控えめな雰囲気のほうが、その人本来の色気を感じさせることもあるのだと、改めて思わされた。
横並びのカウンターが生む、微妙な距離感
席はカウンターで横並び。
鉄板焼きのときよりも、わずかに距離が近く、視線を横にやれば彼女の横顔が自然と視界に入る。
肩が触れそうで触れない、その微妙な距離感が、会話の合間に妙な意識を生む。正面に座るよりも、横並びのほうが、こうした空気は生まれやすいのかもしれない。
寿司屋で見せた、予想外の大胆さ
寿司屋に入るなり、彼女はいきなりノドグロやマグロ、さらにカニみそ入りの味噌汁を迷いなく注文した。その様子を見て、正直なところ少し意外に感じたのも事実だ。寿司屋に慣れていないのかもしれないが、だからこそ余計な遠慮がなく、思うままに楽しんでいるようにも見えた。
昔は最初はタマゴから、などという暗黙の流儀も確かにあったが、今はそんなことを気にする時代でもないのだろう。あるいは、単純に知らないだけなのかもしれない。
そこをこちらが知識をひけらかすように口にすれば、きっと興を削ぐだけだと思い、そのまま何も言わずに流した。
仕事と将来の話、自然と重なる立場
食事をしながら、彼女の仕事の話や、今抱えている小さな悩みを聞いた。
求められているかどうかは分からないが、自分の経験上伝えられることは、できるだけ押しつけにならないよう、柔らかい言葉を選んで添えるようにした。
20代後半という年齢は、まだ先の未来がどこかぼんやりとしていて、自分にどれだけの選択肢があるのか、その広さに気づききれていない時期でもある。そんな話をしていると、彼女から「父性もありつつ、兄貴みたいで、彼氏みたいでもある」と言われた。
20歳以上の年齢差があるからこそ、そう見えるのかもしれない。
理性の奥で揺れる、正直な感情
横並びで彼女の整った顔立ちを見ていると、ふと抱き寄せたい衝動が頭をよぎる瞬間もあった。手を伸ばせば届いてしまう距離にいるという事実が、余計に意識を刺激する。
もちろん、そこで踏み込むことはしない。今はまだ、その時ではないと自分に言い聞かせる。男である以上、下心がまったく無いわけではないが、それを表に出さずに抑える余裕もまた、大人の関係には必要なのだと思っている。
寿司のあとの一言が、夜を少し深くする
寿司の時間は、思っていた以上に早く過ぎていった。
すると彼女のほうから、「近くにカフェがあるので、寄っていきませんか?」と声をかけてくれた。
二軒目に進むという流れは、彼女なりの距離の縮め方なのかもしれない。その提案を自然に受け入れることができた自分にも、少し余裕を感じていた。
夜カフェと、次に続く話題
夜遅くまで営業しているカフェに入り、コーヒーとケーキを注文する。
時間は20時を少し回った頃だった。正直なところ、少し眠気もあり、自分が夜に弱くなったことを実感する。
それでも、この時間は不思議と心地よく、会話が途切れることはなかった。
寒くてゴルフに行けない話から、室内ゴルフシミュレーションでの練習の話、新しいゴルフウェアやアイテムを見に行こうという話まで、自然と「次」に繋がる話題がいくつも出てきた。
この関係は、まだ続いていく。
そう確信できる流れだった。
さりげない気遣いと、夜の余韻
寿司屋の支払いは自分が済ませたので、カフェ代は彼女が出してくれた。
その何気ない気遣いが、妙に心に残る。
派手な出来事はなかったが、確実に距離は縮まっている。
そんな余韻を胸に、それぞれの帰路についた夜だった。
