腰を回転しない、股関節の回旋を使うスイング
更新:2022/06/02
ゴルフスイングでは腰は回転しない という記事を書きましたが、やっぱり腰は回転しない方が適切なインパクトで打つことができます。
腰を回転するスイングの特徴
腰を回転するスイングの特徴としては、腰(下半身)を大きく回転させることで上半身と下半身の捻転差を作ろうとしてることが挙げられます。が、それはスピンアウトっぽくなってしまい、上半身がついてこれない状態となってしまうことが多いです。
腰を回転するスイングはミスしやすい
結論として、腰を回転するゴルフスイングというのはミスショットの確率が増えます。私も、以前は腰をまわす、腰を回転させるという打ち方を習っていた時期があり、上半身と下半身の捻転差を作ろうとするために、腰を回転させて飛球線方向に向けてしまいます。
回転する動作というのは、野球のバッティングに近いスイングとなります。 腰の高さのモノを打つのに向いてます。なので、野球のバッティングは、腰を回転させて打つ方が良いということです。
上のイラストのスイングは完全に腰を回転させるゴルフスイングとなります。インパクトする前には既に腰が飛球線方向を向いてしまっており、先行して腰を回転させることで上半身との捻転差を作ろうとしてます。また、右肘を曲げたまま手首のコックを保って腕を下してくるので、右肩が下がりやすくなります。この状態でインパクト直前で両腕を伸ばしてボールを打とうとしています。
右肘を曲げて、右脇を締めて、強い下半身でダウンスイングをすると、下半身のパワーに右腕が負けてしまって、右腕が巻き付き過ぎてしまいます。結果的には右肩が下がるほどに巻き付いてしまいます。強烈なインサイドアウトになってしまうこともあり、プッシュが増えてしまうこともあります。
右肘を伸ばすのを我慢して耐えることで、インパクト直前までフェースが開いた状態となってます。ここからスクエアに戻すのは難しいです。ほんの少しでもタイミングがズレてしまえばフェースが開いたままでインパクトしたり、閉じたままでインパクトしやすくなるのは誰が見ても分かるはずです。
そんな、ほんの少しのタイミングでフェースをスクエアに戻して、ボールを打つなんてことは難しすぎます。
ましてや、ダウンスイングの右肘を曲げて、少し右肩が下がって、腰だけ回転させているというアクロバットな姿勢をつくれること自体が別の意味でゴルフがうまいと言えます。
腰を回転させるゴルフスイング
さらに、インパクト前に腰(下半身)が飛球線を向いてしまうほどに回転させてしまうと、右脚が前にでやすくなってしまいます。すると、上半身も開きやすくなりますので、プッシュスライスが増えます。プッシュスライスを減らそうと思って、小手先で合わせようとして打つとチーピンが連発したりします。
フェース面をスクエアに戻し難い
腰を回転するスイングの特徴としては、右肘を曲げて、右脇を締めて、ダウンスイングをしますので、ボールにヒットする直前に右肘を伸ばしてインパクトさせようとします。すると、少しでも間に合わなければ、フェース面はスクエアにならず、オープンとなってインパクトしてプッシュしやすくなります。
インパクトする前に、既に下半身が飛球線を向いてしまうと様々なミスショットにつながります。
また、インパクト直前で右肘を伸ばして打つのはダウンブローに入りやすくなるので、ドライバーであったとしてもバックスピン量が増える傾向にあります。スピンが増えると吹け上がって無駄に高弾道になりますし、曲がりやすくもなります。
また、右肘を曲げて、右脇を締めて、ダウンスイングをするので、右半身が下がりやすくなります。
腰を回転しない、股関節の回旋を使うスイング
タイガー・ウッズのゴルフスイングは進化してきており、だんだんコンパクトでシンプルな動きとなってきました。それは、ゴルフクラブが進化してきているので、無駄な動きをしてないとも言えます。
腰を回転させないゴルフスイングは、股関節を回旋させて、骨盤を縦に動かします。それにより、重心移動をして、スイングしてます。
ゴルフスイングにおける股関節の使い方のコツという記事でも書きましたが、股関節を使う・股関節を回旋させるというのは、股関節伸展のことです。骨盤を倒したり立てたりする動作のことで、ハムストリング、大殿筋群(お尻の筋肉)、大腿二頭筋などの筋肉を使います。股関節を回旋させるには、これらの筋力が発達してる必要があります。
タイガー・ウッズの場合、下半身の動きを止めて、上半身の捻じれ戻りを活かしてます。ダウンスイングでは右足の前あたりで右肘を伸ばして、両腕を伸ばそうとしています。右肩、右腕、右脚が一直線にさせるイメージです。インパクトの直前まで粘って、瞬間的に解放するという打ち方ではありません。ゴルフボールにヒットする手前から両腕を伸ばして、ゴルフボールに対して緩やかな円弧を描きながらインパクトさせるので、無駄なバックスピンが発生しません。
振るとか、回転するというよりは、縦に振り下ろしてくるというイメージの方が強いです。まさしく、釣りのキャスト、剣道などと同じような動作となります。これこそが叩くであり、振るというスイングです。
タイガー・ウッズは腰を回転させないスイングのお手本となります。インパクトまでは、あまり腰を回転させません。腰を回転させないからこそ、上半身と下半身の捻転差が作られて、強いスイングエネルギーで打てます。むしろアドレスに戻すように、身体をスクエアに戻すイメージを持ってます。インパクト後は、右脚の蹴りと左脚を伸ばして股関節を回旋させていき、ここでやっと骨盤が飛球線に向くように回転していきます。
腰を回転させないので、上半身と下半身は大きな捻じれがありません。自然な姿勢でボールを打つことができます。ダウンスイングから左足を踏み込んだら、そのまま下半身は動かさない、止めておき、股関節の回旋を活かしていきます。
股関節を回旋するので、フィニッシュは左右の太腿内側が密着します。これこそが股関節の廻旋を使ったスイングのフィニッシュとなります。
ゴルフスイングは腰を回転しているように見える
ゴルフスイングの動画やシークエンス(連続写真)を見ていると、腰を回転してスイングしているように見えます。
私も腰を回転させると教わりましたが、実際のところは、腰は回転していません。ゴルフスイングの始動タイミングとして、バンプはさせます。うちのブログでも何度か書いてますが、股関節の回旋によってゴルフスイングが成り立っています。
腰を回転しない股関節を使った打ち方
腰を回転しないスイングの場合、テイクバックでも腰がほとんど回転しません。股間に体重をのせながらテイクバックをして、ダウンスイングの開始は左足を踏み込んでバンプ(腰を平行移動)して、右膝を左膝に寄せるように押し込んでいくと自然と股関節の回旋ができます。このときに左足の踏ん張り(左の壁)を作って流れないようにすることが重要です。エネルギーが圧縮されていきばがなくなると上に流れます。
なので、インパクトでジャンプするようなスイングになります。右膝が左膝に寄せられると、内股のようになり、両足の太ももがくっつくような感じとなります。なので、フィニッシュは両太ももがくっついた状態で立ち上がります。
先にバンプ(腰の平行移動)をする
腰を回転しないわけではなく、股関節の回旋をすることで、腰(骨盤)は回転します。トップスイングを作って、ダウンスイングにスイッチするときに、腰(骨盤)から始動すると、スピンアウトっぽくなってしまいます。スピンアウトの特徴としては、右脚が前に出てしまいます。そして、身体が開きやすくなりますので、スライスしやすくなります。
なので、トップスイングを作って、ダウンスイングにスイッチするときには、左脚を踏み込みながら、バンプ(腰の平行)移動を入れることで、体重移動(重心移動)を行うことができますし、自然と右膝を飛球線に入れようとします。
右膝を飛球線に入れる
バンプ(腰の平行移動)をしようとした場合、右膝を飛球線に入れなければいけません。右膝を入れることでバンプさせることができます。そして、右膝を入れるということは、右の股関節を回旋する動作も付随しますので、自然と股関節を回旋させていき、左側の股関節(左脚)で身体の流れを受け止めます。
すると、左右の股関節の間でスイングエネルギーが圧縮されていき、力強いスイングで打てますし、ゴルフクラブが加速します。
海外と日本のゴルフスイングの違い
腰を回転するゴルフスイングが良いのか、腰を回転しないゴルフスイングが良いのかを考えた場合、海外と日本のゴルフスイングの違いが明らかとなってきます。海外のゴルフスイングと日本のゴルフスイングの違いといえば、腰を回転するかどうか、股関節の回旋に対する考え方が全く異なります。
海外のゴルフスイング
海外では、腰を回転するという概念はありません。股関節を回旋するという概念であり、ヒップターンという動作であるとしています。
日本のゴルフスイング
日本では、腰を回転するという概念があり、インパクトでは下半身が飛球線に向いてしまった状態になることもあります。
海外と日本でゴルフスイング概念が違う?
概念が違うというよりも和訳を失敗した可能性が高いです。
海外と日本ではゴルフスイングの概念が異なります。もともとゴルフというスポーツは外来であり、ゴルフスイングの書籍などは英語でしたので、それを和訳しました。和訳しましたが、訳す人がゴルフというスポーツのことに詳しくない人であったためゴルフスイングという動作を間違った言葉で表現をしてしまい、勘違いしたまま現代に至るというのが日本のゴルフスイングであります。
日本のゴルフスイングは腰を回転させる
日本のゴルフスイングと海外のゴルフスイングの大きな違いのひとつに、腰を回転させるという概念があります。海外では腰を回転させるという表現は使いませんし、腰を回転させることはできません。
日本では腰を回転、腰をまわすという言葉をつかってゴルフスイングの習得をします。私も今までは腰を回転させるというイメージを持ってましたし、右肘を締めて、インパクト直前までタメるという打ち方を目指してました。
ゴルフスイングという動作そのものは下半身の動きが必要となりますが腰を回転させるわけではありません。腰の回転とバンプも動作が異なります。
海外のゴルフスイングは股関節の回旋をする
日本では、股関節の回旋という概念がありませんでしたし、海外から入ってきたゴルフスイングの解説書を和訳する人が腰を回転するという表現してしまったから全てが間違ってしまったと言われてます。
実際にゴルフスイングのシークエンス(連続写真)を見ていると腰を回転しているように見えます。が、実際は腰を回転しているのではなくて股関節を回旋させています。股関節を回旋させることで、身体の体重移動を行い、スイングエネルギーをうみだしてゴルフクラブを振っています。
股関節の回旋 と 腰の回転 というのは似ているようですが全く異なる動きとなります。
ゴルフスイングの比較
左の腰を回転するゴルフスイングはインパクト時には既に腰が回転しており、あとから上半身がついてくる状態です。というよりも遅れてます。このままでは身体が開くか、クラブヘッドが遅れてしまってスライスが打ちやすくなるというのは誰にでもイメージつくはずです。
右側が腰を回転しないゴルフスイングとなります。厳密にいえば、身体を捩じって打つわけですから、飛球線方向に向かって腰は回転しているように見えますが、これは股関節を回旋した結果となります。腰を回転したわけではありません。
腰を回転しないスイングと腰を回転するスイングの違い | YouTube
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