ゴルフは哲学

タイガー・ウッズのスイング分析と飛距離

 

タイガー・ウッズのスイング

タイガー・ウッズのスイングは常に進化してます。以前は上下運動が多かったり、スタック&チルトを取り入れたりと、様々なスイング理論を取り入れてきました。最近はとてもコンパクトで身体に負担の掛からないスムーズなスイングとなってきました。

タイガー・ウッズの基本的なスイング動作としては、腰を回転させない、股関節の回旋、積極的な右肘の屈曲です。そして、なんといってもアライメントがとてもうまいです。

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2019年 マスターズで優勝をして、完全復活をしたタイガー・ウッズのゴルフスイングに興味を持つのは当たり前かもしれません。理由は簡単で、勝てるスイングだからです。タイガー・ウッズのスイングは、スタック&チルトがベースとなっていますが、怪我の影響、フィジカル面の強化により、独特で個性的なスイングとなっています。

 

アドレス

スイング軸が真ん中、両足均等に体重を置いています。完全にスクエアというイメージが伝わってくるアドレスです。普通にゴルフスイングをすれば、股関節に体重がのります。それをタイガー・ウッズは太腿で受け止めるタイプのスイングです。なので、太腿の筋肉がとても発達しています。

 

テイクバック

下半身がほとんど動きません。左肩を下の方に回し込んでいくようなテイクバックとなっています。あまり紹介されていませんが、タイガー・ウッズは肩周りの筋肉、背中の筋肉が発達しており、強い体幹だけでテイクバックを始動させています。

体重を右側に移動させない、1軸スイングとなっています。
スタック&チルトの動きが部分的に取り入れられているスイングです。といっても、以前よりも左足だけに体重を乗せることがありません。左足を意識しているものの、スイング軸は身体の中心に位置しています。

股関節の廻旋

下半身リードでテイクバックをしているのですが、腰が回転しているのが殆ど判りません。これは、股関節を廻旋しているからです。腰を回転するのではなく、股関節を廻旋させて、上半身の回転を行っています。

 

トップスイング

腰は回転してないように見えます。これは、股関節を廻旋させているからです。右側の股関節はしっかりと回旋しており、お尻が飛球線を向いています。腰を回転させるのではなく、股関節を廻旋させているので、腰が極端に回転することがありません。

トップスイングでは股関節に体重がのりますが、タイガー・ウッズの場合、筋力が発達した太腿で体重負荷を吸収しています。内転筋、大腿四頭筋がとても強いということが判ります。腰を回転し過ぎず、上半身と下半身の捻転差を大きくしようとしています。また、背中の筋肉が発達しているので、背筋のパワーを活かしたスイングとなっています。

右脚を固定させて、腰に深い回転ができるようにしています。左側に体重を乗せてスイングをする、右脚を伸ばして、股関節を深く回旋させるという、1軸スイング、スタック&チルトの要素が見られます。が、昔のように左足軸にしようという感じではありません。以前、タイガー・ウッズはスタック&チルトで左膝を故障していることもあり、身体に負担が掛からないスイングを意識しているようです。

コンパクトで無駄が無いトップスイングとなっており、小さな動作で大きな捻転差が作られるスイングとなっています。これは、かなりの筋力が無ければ実現が難しいスイングです。

 

ダウンスイング

タイガー・ウッズ独特の少し沈み込むダウンスイングとなります。左脚の踏み込みと粘りと右脚の蹴りにより強いスイングエネルギーを作ってます。そして、腕とゴルフクラブを引き下ろしてきます。手首のコックしっかりと保っています。腰の回転は少ないものの上半身が大きく回転しています。逆に言えば、下半身の少ない動きで、大きな捻転を作っているということになります。

股関節の廻旋で打つ

腰の回転は少ないというか、あまり回転してません。ほとんど股関節の廻旋を活かしてます。ダウンスイングでは、右膝を飛球線方向に押し込んでいき、左側の股関節、左足で受け止めています。このとき腰を回転させずに止めるという動作が必要となります。

腰を回転するとスイングエネルギーが逃げてしまって、それは左側にスウェーしてしまっていることと同じような状態となってしまい、チカラが抜けてしまったスイングのようになってしまいます。

 

インパクト

ビハインドザボールの姿勢がつくられており、左腕、左手、ゴルフクラブ、左脚が一直線となる美しいインパクトです。アドレスのときよりも若干ですが頭が左側(飛球線とは逆方向)に置かれており、美しいインパクトとなっています。

右足の前で両腕を伸ばして打つ

スイング動画や上のイラストではボールにヒットする直前に両腕を伸ばしているように見えてしまうのですが、実はボールの手前、右足の前あたりで両腕を伸ばしてます。右肘を伸ばすというイメージでしょうか。そうすることで、ボールの手前でフェースをスクエアにして、急激な打ち込みを防いで、ゴルフボールに対して水平に近い状態でインパクトさせようとしてます。そうすることで、バックスピン量の発生を減らすことができます。とくにはドライバーショットで有効な打ち方となります。

 

フォロースルー

捻転のエネルギーを活かして、振り抜いたときの慣性のまま腕を高く上げていきます。イラストでは判り難いですが、以前のように両腕を振るという感じではなく、コンパクトに畳み上げるというフォローとなっています。そうすることで、スイングをコンパクトにできますし、ヘッドスピードを加速させることができます。スタック&チルトの変形バージョンです。

 

フィニッシュ

全身が伸び上がって左足1本で自然で立てています。以前は体を反らすようなフィニッシュでしたが、最近は反り返らない、真っ直ぐ立ち上がったフィニッシュとなっています。また、以前は左足がもっと捲れてしまう状態でしたが、最近は左足の捲れが少なくなっており、足腰、膝に負担がかからないコンパクトなスイングになっているのが判ります。

 

タイガー・ウッズのスイングは進化している

タイガー・ウッズのスイングは進化してますし、変化してます。以前はもう少し上下するようなスイングでした。ダウンスイングで沈み込むことでゴルフクラブを下してくるタイミングを図っていた時期もありました。最近はとてもコンパクトなスイングとなり、腰はあまり回転しない、だけど上半身は捻転させて、ゴルフボールに対してレベルでヒットさせるというスイングになってきました。

つまり股関節の回旋を使ってスイングをしているということです。

テイクバックでは右側に体重を乗せるので、右側の股関節に荷重します。ダウンスイングからインパクトにかけては、バンプさせて、左側に体重を移動させるので、左側の股関節に荷重します。

左右の股関節の間で身体の重心(体重)を移動させることでゴルフスイングが成り立っており、決して腰を回転させようとはしていません。

 

積極的で適切なキャスト

ゴルフでキャストというと悪いスイングイメージがありますし、ミスショットの原因とも言われてます。が、タイガー・ウッズは積極的に肩から肘までのパワーを存分に使っており、釣り(フィッシング)でいうところのキャスティングと同じような動作をしてます。右肘を曲げて、伸ばすという動作ことスイングの源であり、ヘッドスピードを速くするコツでもあり、方向性を高めてくれる打ち方となります。

そのため、タイガー・ウッズは昔にくらべて体格が良くなってます。しっかりと筋トレをしてフィジカル面も強化をしてます。とくに肩の筋肉、三角筋がよく発達してます。三角筋は腕の筋肉、背中の筋肉とも連動しており、とても重要な役割を担ってます。右肘を曲げて、右肘を伸ばすという動作も肩の筋肉である三角筋と背筋が大きく影響してます。

 

タイガー・ウッズのスイング動画

昔のタイガー・ウッズのスイング動画がありますが、腰を回転してません。厳密にいえば確かに腰が回転しているように見えますが、腰を回転させているのではなくて、股関節を回旋させたことで腰が回転いているように見えるということです。

下半身をあまり動かさずに捻転をするので、上半身と下半身の捻転差が作られますし、背筋が引っ張られて強いエネルギーを蓄えることができます。どう見ても腰を積極的に回転させるスイングではありません。日本人ゴルファーが考えるスイングとは全く異なるということが分かるはずです。

 

タイガー・ウッズのスイングの特徴

以上のことが言えます。

昔からタイガー・ウッズは右肘を伸ばして、右手(右腕)を使うのが上手なゴルファーでした。それは、今でもかわりません。

ぶっちゃけ真似しようとしても、近い動作はできるかもしれませんが、強い筋力と柔軟性が必要となりますので、完全にコピーするのは難しいです。

 

タイガー・ウッズのヘッドスピード、飛距離、ミート率など

最近の若手の選手には飛距離で負けますが、フェアウェイキープ率がとても高くなっています。飛ばすよりも、安定したティーショットを信条としているように感じます。

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タイガー・ウッズのスイングは、十分な筋力やパワーがあるからこそ実現できるスイングです。そのままコピーすることは、とても難しいと思います。ただ、ゴルフスイング全体の軸の保ち方、小さな回転で大きな捻転差を作ることやコンパクトなスイングというのは取り入れていくと良いかなと思いました。

日々、精進
がんばります

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