
女子プロのドライバーが飛ぶのは長いシャフトだから?
女子プロのドライバーが飛ぶのは長いシャフトだから?
最近の女子プロゴルファーのドライビングパフォーマンスというのは、本当に素晴らしいです。曲がらずに、真っ直ぐ飛びます。240ヤード、250ヤード、それ以上に飛ばす選手も登場してきました。
ゴルファーとしての身体的な能力向上もありますが、飛ばすための要素を取り入れたドライバーを使っているからなのだろうと思います。
特に最近はシャフトが長めのドライバーを使っている女子プロゴルファーが多くなっているように感じます。もしかしたら、飛ばしの要素はドライバーの長いシャフトにあるかもしれません。といっても、全ての選手が長いシャフトのドライバーを使っているというわけではありません。最近のツアーで優勝した選手のドライバーを調べてみました。
併せて、ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップが開催時(アメリカのレキシー・トンプソンが出場した試合)の公式ドライビングディスタンス結果が公開されておりましたので、飛距離はそちらを参考にしてみました。
以下に紹介するセッティングでワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップに出場していたかどうかは判りませんが飛距離の参考になります。
イ・ボミのセッティング
長さが45.5インチというのが長いのか、長くないのか、その判断は難しいです。一般的にドライバーの長さ45インチと言われていることを考えると、0.75インチ長いという解釈ができます。2016年5月ワールドレディス ドライビング ディスタンスを確認すると、ドライバーの平均飛距離は251.0ヤードとのことで、抜群の飛距離を持っています。

- ドライバー:本間ゴルフ TW727 455 ドライバー (ロフト角:10.5度)
- シャフト:VIZARD YA55(硬さR 長さ:45.5インチ)
大江香織のセッティング
長さが46インチとなっていますから、長尺ドライバーに分類されると考えられます。2016年5月ワールドレディス ドライビング ディスタンスを確認すると、平均して230ヤード飛ばしてきています。まだまだ、これから飛距離が伸びそうな感じがします。

- ドライバー:ヤマハ インプレス RMX 01 ドライバー(2015年)(ロフト角:9.5度)
- シャフト: グラファイトデザイン ツアーAD GP 5S(長さ:46インチ)
※2016年3月 Tポイントレディス 優勝時
大山志保のセッティング
長さは45.75インチのドライバーというのは、最近では当たり前になりつつありますが、やはり長いドライバーに分類されると思います。ただ、クラブメーカーによっては長さを感じることもありますし、短く感じることもあります。

- ドライバー:ピン G ドライバー (ロフト角:9度)
- シャフト:USTマミヤ ATTAS G7(長さ:45.75インチ/5S)
※2016年4月 フジサンケイレディス 優勝時
アン・ソンジュのセッティング
長さが46インチとなっていますので、長尺ドライバーに分類されます。アン・ソンジュは46インチのドライバーを使っていても、コンパクトなスイングをしてきます。効率良く捻転で蓄積されたパワーを長いシャフトを介して、ボールに伝えているのだろうと思います。2016年5月ワールドレディス ドライビング ディスタンスを確認すると、平均飛距離は247.8ヤードとなっています。安定したロングドライブは長いシャフトが生み出しているのかもしれませんね。

- ドライバー:ヨネックス EZONE XPG ドライバー(ロフト角:9度)
- シャフト: レクシスカイザ D(5SR、長さ:46インチ)
※2016年7月 センチュリー21レディス 優勝時
テレサ・ルーのセッティング
長さは46インチとなっていますので、長尺ドライバーに分類されます。テレサ・ルーは身長164センチです。それでも、かなり飛ばしてきます。その飛ばしを支えているのは長いシャフトなのかもしれません。2016年5月ワールドレディス ドライビング ディスタンスを確認すると、平均飛距離は244.5ヤードです。

- ドライバー:キャロウェイゴルフビッグバーサ アルファ 816 ダブルダイヤモンド ドライバー (ロフト角:9度)
- シャフト:藤倉ゴム工業 モトーレ スピーダー 569(2013年)(硬さ:S 長さ:46インチ)
※2016年9月 マンシングウェアレディース東海クラシック 優勝時
藤田光里のセッティング
長さ46インチとなっていますので、長尺ドライバーに分類されます。2016年5月ワールドレディス ドライビング ディスタンスを確認すると、平均して250ヤード飛ばしてきています。華奢な身体ですが、長いシャフトのドライバーをしっかりと振って安定した飛距離を維持しているようです。

- ドライバー:キャロウェイゴルフ XR PRO ドライバー(ロフト角:9度)
- シャフト:藤倉ゴム工業 Speeder EVOLUTION 569(S/長さ:46インチ)
※2015年4月 フジサンケイレディスクラシック 優勝時
成田美寿々のセッティング
長さは46インチとなっていますので、長尺ドライバーに分類されます。2016年5月ワールドレディス ドライビング ディスタンスを確認すると、平均飛距離は246.6ヤードとなっています。もっと飛ばせるポテンシャルを持っているでしょうね。

- ドライバー:ヤマハ インプレス RMX ツアーモデル ドライバー(ロフト角:9度)
- シャフト:クレイジー CRAZY46 Black(SX、長さ:46インチ)
※2015年6月 サントリーレディスオープン 優勝時
女子プロのドライバーが飛ぶのは長いシャフトだから?
各選手のドライバーを紹介するなかで、長尺ドライバーという言葉を使ってしまいましたが、果たしてどれくらいの長さから長尺ドライバーなのかという定義付けは難しいところがあります。ただ、45.75インチ、46インチ という長さのドライバーは明らかに長いドライバーです。
女子プロゴルファーのドライバーが飛ぶのは、ヘッドスピードが速いだけではないし、ミート率が良いだけではなく、長いシャフトのドライバーを自分のスイングパフォーマンスに活かしているということが窺えます。また、長いシャフトのドライバーを使いこなしてくれるというところは流石はプロだなと感じさせてくれますね。シャフトが長いということに併せてロフト角が9°、9.5°というのが多いというのも特徴的ですね。きっと、シャフトが長ければシャフトの撓り具合も大きくなりますから、インパクトゾーンでは C字を描くように撓るのだろうと思いますし、クラブヘッドは上を向く挙動となりますから、ボールが上がり過ぎないようにしようという考えからロフト角9.5°、またはロフト角9°を選択しているのかもしれません。
女子プロゴルファーのスイングを手本にすると良い、というような言葉を耳にした事がありますが、ドライバーのシャフトの長さまで注意深く観察したことはありませんでした。
一般的に市販されているドライバーも45インチよりも長くなっている傾向を感じます。例えば、テーラーメイドM2ドライバーは45.75インチとなっています。タイトリストVG3(2016)はオリジナルシャフトVG50の場合は、46インチとなっています。少しずつ長めの設計になっているのかもしれませんね。
シャフトが1インチ長くなるとヘッドスピードが1m/s速くなると言われています。ヘッドスピードが1m/s速くなると、ボール初速は1.45倍になります。飛距離にして概ね5ヤードから6ヤードは伸びると言われています。シャフトを長くすることで得られるメリットは多くありますが、使い慣れるまでに時間を要することも事実です。
ヘッドやフェースにたわみ効果を持たせたり、スリットを設けて反発を高めるという工夫だけではなく、シャフトを長くしてヘッドスピードを速くさせるて相乗効果を生み出そうとしているということが見えてきますね。
日々、精進
がんばります