
髪の毛1本を引っ張ってもらっているようなイメージでアドレス
中部銀次郎さんはアドレスをとても大切にしていました。それは、中部銀次郎さんの書籍 「 中部銀次郎の第一打 (ゴルフダイジェスト文庫) 」 の中からも読み取ることができます。ゴルフはアドレスに始まり、アドレスで終わるのだから、ショットをする前のアドレス、つまり姿勢がとても大事だということを伝えようとしています。
ナイスショットするのか、ミスショットになるのか、それはアドレスで決まります。ボビー・ジョーンズも構えたら心配するには遅すぎると言っています。また、中部銀次郎さんはアドレスをしてから3秒で打つという3秒ルールというものを自分で作っており、3秒の間に様々な自分の身体のことを確認してからショットをするようです。
アドレスに入ってから色々と悩んでしまって、静止状態になったとしても、ボールの置かれた位置、立った位置、姿勢ですべてが決まってしまいます。アドレスでどのようなショットになるのかは決まっているという言葉を聞いたことがありますが、実際のところゴルフ場ではけっこう雑なアドレスをしていることもあります。
中部銀次郎さんはアドレスのときの頭の位置、そしてスイング中の頭の位置をとても気にしています。頭が動かないように気をつけているということです。頭が動けば、軸が動いてしまうということになり、軸がブレているということになります。軸がブレてしまうと、ナイスショットの確率が低くなってしまいます。
中部銀次郎さんは頭を動かさないための練習として、自分の頭(おでこ)を壁につけて素振りをするという練習をしていたようです。そして、アドレスでは頭を動かさない・・・頭を垂れさせないために天から髪の毛1本を引っ張ってもらっているようなイメージでアドレスをしたと書籍に説明されています。
髪の毛1本を引っ張ってもらう・・・とても不思議な感じですし、独創的な感じがします。
アドレスをするときに頭が垂れ下がってしまわないようにするための工夫だったようです。頭は身体の部位のなかでも重さがあります。ゴルフボールは足元にありますから、自然と下を向きます。下を向けば頭が下がってしまいます。頭が下がってしまうと、尾てい骨から脳天まで1本の軸が作れなくなるというということです。
自分が真っ直ぐな軸を保とうとしていても、尾てい骨から方までは真っ直ぐ、首から頭は下がってしまっていることもあります。
実は私も頭が下がってしまう傾向にあります。ボールを見ながらアドレスをすると自然と頭が下がってしまいます。頭が下がるとボールを近くなったような感覚になり不思議と安心感が芽生えてきます。つまり、ショットに対する不安があるから、ボールに近づこうとしてしまい、頭が下がってしまっているというアドレスになっているということです。頭が下がると気にかけてもいないのに、窮屈なアドレスとなってしまいます。
髪の毛1本で引っ張られているような感じで、頭を上げれば自然と顎も上がってくるし、顎が上がれば、肩が入る空間も作られるし、尾てい骨から脳天まで1本の軸が作られて、効率の良いスイングができます。
どんなにヘッドスピードが速くても、頭が動いてしまっては、スイングで蓄積したエネルギーが逃げてしまい、クラブヘッドがボールにヒットする時には弱々しいインパクトになってしまいます。
中部銀次郎さんは自分のことを飛距離が出ないゴルファーだと言っていました。飛距離が出ないのであれば、飛距離が出ないなりの効率のよいショットができる工夫を取り入れていたのだと思います。
週間ゴルフダイジェストに連載された 銀のゴルフ をもとに再構成された書籍であり、わかったと思うな を一部引用している、中部銀次郎の第一打 という書籍というかコミックというか漫画のなかに書かれています。今まで読んできた書籍と重複するところもありますが、とても勉強になります。
日々、精進
がんばります